水というのは、とても不思議な物質です。

水の化学式はH2O。水素原子が2つに酸素原子が1つでできている軽い物質です。
一般的に軽い物質というのは、沸騰する温度が低くなります。
長崎打ち水大作戦 水分子
沸騰というのは、水に熱を加えていくと、ぼこぼこと内部から泡が出てきて、しまいには白い煙を吐き出している状態のことです。ヤカンでお湯を作るときや、鍋でパスタをゆでるときにお湯を沸かしますが、このときのぼこぼことした状態のことです。

軽い物質はこの温度が低いのですが、水は100℃で沸騰するように、一般的ではない高い温度でぼこぼこ沸騰します。

これは水が持つ特別な「ツナガリ」によります。

水には水素が2つ、酸素が1つあると書きました。
実はこれら二つの物質は別々の電気を帯びています。水素がプラス、酸素がマイナスです。

そして水となっている状態のときは、これら水素と酸素が水の中で互いに引き合っているのです。

もちろん自分の中の水素と酸素も引き合うのですが、別の水に含まれる水素と自分の酸素との引き合い、あるいは別の水に含まれる酸素と自分の水素との引き合いもまた存在します。これが水の特別な「ツナガリ」なのです。

つまり水というのは、他の水とくっついて群を作っている状態として存在していると考えられているわけです。

では水が沸騰するときに、なんで高い温度が必要なのでしょうか?

水が沸騰するには水の煙である水蒸気にならなくてはいけません。
水蒸気は水に比べて大変元気です。元気だからあちこち飛び回れるし、とても熱いですね。

これは水が外部からエネルギーを得ていることに他なりません。
ご飯を食べる前、おなかがすいていると何となく元気がありませんね。ご飯を食べた後、少しすると元気がでます。これと同じように、水も「エネルギー」をもらうと元気になり、状態が変わるわけです。
長崎打ち水大作戦 水の気化熱
このエネルギーのことを「熱」といいます。

水が熱をもらって元気になり、水蒸気と名前を変えるには、先ほどの特別な「ツナガリ」を断ち切ってやらねばならないのです。だからツナガリを断ち切るために余分なエネルギーが必要になり、結果として高い温度=多くの熱が必要というわけです。

水が水蒸気になるためには、熱が必要です。

逆に言うと、熱があれば水が水蒸気になります。

どのくらいの熱が必要なのかというのは、水の大きさによります。

大きな体の人はたくさんのエネルギーが必要ですが、小さい人はそれほど必要ではありません。これと同じように、小さいな水は多くの熱は必要としないで水蒸気となることができます。

さて、夏の暑い時。
アスファルトの道路は太陽からたくさんの熱を受けて、とても熱くなっています。たくさんの熱を蓄えています。

ここに水をまくとどうなるか。

水はその道路が持っている熱を受け取ることで元気になり、あちこち動き回るコトができるようになります。
つまり水蒸気になることができるのです。

水蒸気となると、空気中にふわふわと飛んでいくことができ、やがて水蒸気は元気を使い果たして、どこか別の場所あるいは近くの場所で水に戻ります。

これを道路から眺めると、水が自分の持っていた熱を奪ってどこかに飛んでいくように見えます。

そして道路に立っている私たち人間は、道路が冷やされたと感じるコトができるわけです。

これが打ち水の正体です。

水が何かに触れて元気(熱)をもらうと、活発に動き回ろうとします(水蒸気になる)。
動き回るとやがて疲れて、元の水に戻ります。
結果として、水が元気(熱)を奪うことで触れたモノの温度が下がることになります。

プールの後に涼しくなるのは、皆さんの熱くなった体を水に触れさせることで、水へ元気(熱)を移しているからです。水はその元気をもらって水蒸気なるのですが、私たちの持っている元気(熱)では、水が元気になれないので、水のまま残っているのです。
長崎打ち水大作戦 水の蒸発